本『スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家』(ダン・ライオンズ)の感想
- 作者: ダン・ライオンズ,長澤あかね
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/06/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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50代でニューズウィークのエディターを解雇された作者が、実在するスタートアップ(HubSpot)で勤めた時のルポルタージュ
本で書かれていた、そのスタートアップの特徴をリストする
- 2016年に glassdoor が社員の意識調査を元にした Best Places to Work 2016 Employees' Choice(従業員が選ぶ働きやすい会社)の中で4位になった
- 健康保険など福利厚生が恵まれている
- ハロウィン・パーティがある
- ビールがタダで飲める
- お菓子がタダで食べれる
- 廊下を犬が歩いている
- とり放題の休暇
- 会議室に「名前」をつける
- awesome(オーサム)とよくいう
- 「!」びっくりマークを多用する
- 退職のことを「卒業」と呼ぶ
作者が勤務して得たもの
会社の関係者が作者のデバイスやアカウントをハッキングした疑いが出て、 FBI が捜査するが、起訴には至っていない
読んだあと、YouTube を探すと作者(Dan Lyons)の動画がいくつか見つかった。中でも、この動画の概要欄が気になったので引用する。
Welcome to work in the modern economy, where the climate is cultish and management fads rule. Silicon Valley workplace culture has filtered through to other industries, dehumanising our working practices and putting tech in the driving seat. In a rapidly transforming world where entire industries are collapsing, companies scrabble to reprogramme their workforce to adapt and survive, conducting large-scale experiments in organisational behaviour; in short, we’re all their lab rats.
現代経済の仕事へ、ようこそ。
ここはカルトなかんじで、イケてるルールを運営している。
Silicon Valley の職場の文化は、他の産業にもひろがり、労働の慣習は非人間化(de-humanising)されて、テクノロジが運転席に座っている。
産業全体が崩壊し、急速に変化するこの世界では、企業は労働力を再プログラミングして、順応して生き残ろうとしている。組織的行動によって大規模な実験が行われている。
要するに、わたしたちはぜんいん、その実験ラット、というわけです。
どうやら、2018年に作者はまた本を書いたらしく、上の動画は、どちらかというと、新しいこの本にマッチしたもののようだ。
この動画を投稿したのは RSA(The Royal Society of Arts)、英国にある王立技芸協会。