
- 発売日: 2013/11/26
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1951年 アメリカ ウォルト・ディズニー(パブリック・ドメイン)
森の中、帰路を辿るアリス。
第一印象
- ストーリーや登場するキャラクターがシュールである
- 勧善懲悪や予定調和がないので、人によっては以下を感じるかもしれない
- 居心地が悪かったり
- 不安になったり
- 奇妙だったり
立川談志
- この映画を観終わったあと、これはどういった映画なのか、というカテゴライズを考えていると
- 落語家の立川談志が言っていた「言葉のイリュージョン」を思い出した
イリュージョン
立川談志は以下のようにイリュージョンを語っていたように思う。
- 人は生まれてきて、幼いころは、動物や虫を自分と同一視する
- 例えば、子供に絵を書かせると、子供とクマが並んだ絵をかく
- そしてそれは、子供とクマがニッコリ笑っている場合もある
- ただし、社会の中では、人間は人間であり、クマはクマである
- だから、子供がそのまま大人になると、社会生活に困ってしまうので大人は子供を教育して、社会の中で不自由なく生きれるようにする
- しかし、立川談志には以下の疑問があった
- 本当は、最初に見えていた子供の視点が、人間としてはまともと言ったり、正常と言ったりする状態ではないのか?
- 社会生活に順応することこそが、人間にとって無理をしているのではないかと
- だからこそ、老人になったら「ぼけた」と言われるが、それは無理をして順応することができなくなった事であり、人間としては元々の姿に、子供の時の感性に戻った、だけではないか
- その証左に、人間はほんらい、まともではない、不条理な物を欲しているし、その中に入りたいと思っている
- それが、寝るときにみる夢であり
- マジック(奇術)であったり
- シュールレアリズムの絵画である
- これらで、現実と不条理な世界のバランスをとって人間は生きている
- そして、落語というのは、そのイリュージョンを「言葉」で魅せているものだと
感想
そういった視点を持って、再度この映画を振り返ってみると。
原作者ルイス・キャロルは、子供(アリス・リデル)に話を聞かせて、純粋に子供が楽しんだ物語を、本にしてまとめた。それは、それまでの童話とは違って、教育や教訓は含まれない。
この経緯から、立川談志の言っていた「イリュージョン」はこの映画とそう遠く離れたものではない、と言って良さそうだ。